皿の隅の常連、AIに問いかける
洋食の皿の片隅、いつもそこにいるパセリのパセ夫。彩りを添える名脇役……のはずが、食事が終わると、たいてい一人だけ皿に残されています。
ある日、厨房のタブレットに搭載された盛り付け分析AIが起動しました。『こんにちは。盛り付けを最適化します。』残されがちな飾りと、正直すぎる人工知能の、切ない出会いでした。
〜食べられず残され続ける飾りに、AIは別の役割を見た〜
洋食の皿の片隅、いつもそこにいるパセリのパセ夫。彩りを添える名脇役……のはずが、食事が終わると、たいてい一人だけ皿に残されています。
ある日、厨房のタブレットに搭載された盛り付け分析AIが起動しました。『こんにちは。盛り付けを最適化します。』残されがちな飾りと、正直すぎる人工知能の、切ない出会いでした。
パセ夫の悩みは、食べてもらえないことでした。「僕はいつも皿に乗る。でも、食べられずに残される。メインの肉は完食されるのに、僕だけ、ぽつんと皿に置き去りだ。」
「彩りのため、って言われるけど……要するに、飾りってことだろ。いなくてもいい、おまけの存在。もっと、ちゃんと食べてもらえる存在だったらよかったのに。」パセ夫は、自分の”食べられなさ”に引け目を感じていました。
そこでパセ夫は、AIに「食べてもらう方法」を尋ねました。
パセ夫が「どうすれば食べてもらえるか」と尋ねると、AIはデータを返しました。
「やっぱり、残される率No.1級か……。」パセ夫が落ち込むと、AIは分析を続けました。
「食べられないことは、失敗じゃない……。」パセ夫は、はっとしました。主役として完食されることばかり願っていたけれど、自分の仕事は「皿を完成させ、食事を引き立てる」こと。食べられるかどうかとは、別の物差しで測るべき存在だったのです。
AIはパセリを「食べられる主菜」ではなく「皿を引き立てる補助」として評価し直します。喫食率という主役の指標では低くても、彩り・香り・食後を整える役割では有能——測る機能を取り違えていた、と示す回です。
AIに役割を再定義されたパセ夫は、食べられないことを気にしなくなりました。「僕は、食べられるために乗ってるんじゃない。皿を完成させ、料理を引き立てるために、ここにいるんだ。」
それからのパセ夫は、堂々と皿の片隅に立つようになりました。鮮やかな緑で料理を引き立て、食欲をそそり、食後の口を爽やかにする。「主役が輝くのは、僕がいるからさ。目立たなくても、僕の仕事はちゃんとある。」
ある日、パセ夫を食べてくれる人が現れました。「これ、意外と口がさっぱりするね。」残されることが多くても、必要としてくれる人はいる。「全部食べられなくていい。僕は、この皿に必要だから、ここにいる。」パセ夫は今日も、皿の隅で凛と立っています。
パセリは、料理の彩りとして添えられることが多い香味野菜ですが、ビタミンやミネラルを含む栄養価の高い野菜としても知られています。独特の香りには食欲を促す効果があるとされ、口の中をさっぱりさせる目的で添えられることもあります。
添え物として残されがちな一方で、みじん切りにしてソースやスープ、料理の仕上げに使うなど、脇役として料理全体の味や見た目を引き立てる使われ方も広くあります。作中の「食べられることが主目的ではなく、皿を完成させる役割」という描写は、こうしたパセリの多面的な役割に基づいています。
※ この物語はフィクションです。実在の人物・団体・生きものの見解ではありません。DATA COLUMN は公開時点の一般的な知見に基づいています(編集方針)。誤りのご指摘はお問い合わせへ。